別棟備忘録4

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株式会社ゼクーの最後

      2015/11/01

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2005年6月に自己破産した株式会社ゼクー。混乱の一部始終、まとめ。

当時自分がゼクーに投資していたこともあり、一部感情があらわになっている部分あり。ご容赦。

・2009.春・ 露になりすぎた感情を一部修正。
・2010.夏・ 露になりすぎた感情をさらに修正。
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2003年の上場以来経営陣の対立から混乱が続いていたこの会社。

この5月11日にも、取締役会を二度無断欠席し、出社しない状態が続いていた代表取締役社長の三輪隆という人物が解任され、取締役に降格。新たに前身の「いろはにほへと金沢」時代からの生え抜きである伊藤という人物が代表取締となる交代劇があった。らしい。

そして5月20日になって2005年3月期の決算が遅れる旨の発表。

平成17年3月期における前渡金勘定に関する調査委員会の設置および平成17年3月期決算発表予定日の変更に関するお知らせ

三輪隆氏の社長時代に行われた前渡金勘定の一部に不明瞭な支出の疑義があり、調査委員会をおいて内部調査を行うとのこと。
「調査結果次第では17年3月期の決算に重大な影響を及ぼす恐れがある」とのことで、株価は一気に下落した…。

26日の晩になって、調査結果の中間発表を含めてもう笑うしかない数々の発表。

平成16年8月24日付公表 株式会社東京ボロニヤとの基本協定締結の進捗に関するお知らせ
(要約)三輪氏がボロニヤ(デニッシュパン屋)と交渉していた”らしい”けども、どうやら提携には至っていなかった”らしい”

前渡金勘定の調査における中間報告のお知らせ
(要約)ほとんどの支出は、社内手続きがとられておらず、三輪氏の独断。前渡し金の残高37億5000万円。そのうち17億5000万円は目的不明瞭。
特定し、連絡のとれた支出先一社のみ(破産、清算手続き中)。ほとんどの債権の存在確認が困難・回収の可能性は薄い。仕方ないから三輪氏を訴えるかも。

業績予想の修正に関するお知らせ
(要約)三輪氏のせいで余計な支出が(貸し倒れ引当金計上)。目標に圧倒的に届かず、赤字でした。ってことで無配で赦して。

三輪氏のやってることを他の人間が全く把握できてない、そんな会社だったようです。

おかげで今日は前日比-25円でようやく始値がつく有様。


業績予想の修正および前渡金勘定の調査における中間報告に関する記者会見の概要について

質問  債務超過にはあたらないか
回答  7億9000万円余剰があるから大丈夫

ほんとに?

質問  三輪取締役は?
回答  自宅も携帯も連絡とれない。アメリカにいるという話はある。

特別背任で刑事告訴。せめて経済面トップになってください。

質問  株主に一言
回答  今回の件は申し訳なく思っている。株価も低迷しており、基幹事業に注力し、業績・信頼回復に務めます。

あーそうですか

+++++++++ その後 +++++++

会社側と社長側が完全に対立してしまったため、連日もう全くもって意味不明なIR情報が連発されてます。

6月1日
・会社側
代表取締役の行為差止請求に関するお知らせ
(要約)勝手に準自己破産or更正法適用に動いている伊藤社長の権限を制限する!

監理ポスト割当の経緯に関するお知らせ
(要約)伊藤が勝手に会社を潰そうとしている!債務超過じゃない!決算も正確だ!メール返せ!

・社長側
監理ポスト割当の経緯に関するお知らせ
(要約)決算は嘘八百、不適正。ヤクザが適正な決算の邪魔をする。会社再生のため、従業員のために、準自己破産。これしかない!
…文章の斜め具合に切羽詰り感が見え隠れしております。

6月2日
・会社側
代表取締役の行為差止請求の仮処分申し立てのお知らせ
(要約)伊藤社長との喧嘩を裁判所に持ち込みます。

準自己破産申立及び保全管理命令に関するお知らせ
(要約)先生!伊藤社長が準自己破産申し立てて、保全管理命令受けたけど、勝手にやってることなので無効だと思います!

どうやら伊藤社長も出社してない様子。会社から締め出されてしまった模様。

さらに、ロイター通信によれば(転載していいのか分かりませんが…)


 [東京 2日 ロイター] ゼクー<2758.T>は、伊藤雄一代表取締役社長と谷田取締役が2日付で東京地裁に準自己破産および保全管理命令の申し立てを行い、保全管理命令が発令されたことに対し、同社の監査役が同日付で、行為差止請求の仮処分を東京地裁に申し立てた、と発表した。

 声明によると、申し立ての内容は、伊藤社長および谷田取締役はゼクー取締役会の決議なしに、同社の破産・民事再生・会社更生・会社整理・特別清算等の申し立てをしてはならない、などとなっている。

 これに先立ち、伊藤社長の名前で発表された別の声明によると、同社は内部紛争が相次ぎ、経営権をめぐる紛争が続いており、「このような異常な状態のもとでは公開会社として事業を継続することは困難」と判断、伊藤社長が申し立てを行った、という。

 同社は現在、2005年3月期決算で50億4400万円の当期損失を見込んでいる。ただ、伊藤社長は、公表していない簿外債務が少なくとも1億2000万円あり、実質的には債務超過と説明している。今後、民事再生手続きを含め、法的な手続きを踏んで、透明、公正に手続きを進めていく、としている。

東証も裁判所の判断を待って、上場廃止かどうか決める、とのこと。廃止が決まり、整理ポストに行った場合(今やその可能性が最も大きいわけですが)株価はおそらく1円まっしぐら…

もう仕方ないので55株手放す決意を固めました。
損失は8000円。まあ、これからゆっくりと挽回しようと思います。

ゼクーに対して恨みは特に無いですが、未だにホームページで


平成16年度経営方針:
(1) FC本部として加盟店様との共存共栄を目指し成果を挙げよう!
(2) プロとしての自覚を持ち、常に業務改善に取り組もう!
(3) 目標を明確にし、行動は素早く、結果に責任を持とう!

とか叫んでいるのを見ると、なんか自分が情けなくなってきます。

もう「色々勉強になった」と前向きに考えるしか無いですね…

ゼクーという会社を自分は一生忘れません。

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