別棟備忘録4

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2次検査受験 後半(2日目)

   

二日目。8時集合。昼夜逆転気味の学生にはいささかつらい時間である。

・~課題提示

講師の方々は導入手法や指導目標が記された「先生用の教科書」を読んでおられる様子だった。
(自分は教科書の類を準備してこなかったため、内心相当の焦りがあった。)

30分前位になったら別室に移動する。そこで、模擬授業の課題が記された用紙が配布される。
いくつかのテーマから課題を選択し、5分で何をするのか、授業内容を考える。参考書等を閲覧することは出来ない。
中高理科のテーマは

・運動の第1法則と第2法則
・減数分裂
・混合物と純物質
・示準化石と示相化石

であったと思う。中学校、高等学校双方で学習する内容を選んであるのではないか。
紙を受け取ってから、模擬授業の難しさを実感した。
生物、地学、化学分野のテーマは、その単語を知ってはいるが、正直教えられるほどの知識はない。

必然的に物理分野になってしまうわけだが、最初緊張のせいもあってか運動の3法則がそれぞれ何であったか思い出せず、かなりの焦燥感。ようやく思い出すものの、その教授方法を練る時間はほとんどなかった。

配布された紙と受験票のみ検査室に持込みが可能、とのことであったので、とりあえず紙の裏に板書計画を練った。それだけで時間がなくなってしまい、極度の不安、緊張状態で面接に臨むことになった。

(余談)模擬授業は

①何かの授業の導入としてそのテーマの内容を五分で教える

ものであるのか、

②そのテーマの内容を教える授業の導入をやる

ものであるのかを、自分は問題文から汲み取れなかった。実際はどうするべきだったのだろうか?

苦肉の策として、「そのテーマを教えた次の時間位にもう一度簡単に復習するところ」を想定した。

・模擬授業、面接

個人面接は、自己PR(2分)+模擬授業(5分程度)+面接(20分程度)
広い教室に、受験者と面接官3名のみ。
最初に、「かなり緊張している様子ですね。」と声を掛けられた。
「相当緊張しています。」と苦笑い。このやり取りで緊張が消えていった。

・自己PR

自己紹介と、願書に記した事+αを述べようとしたのだが、途中で「はい、わかりました。」と切られてしまった。

・模擬授業

板書計画を参考に、創作しつつ進めた。生徒は存在しないのだが、発問し、もっともらしく受け答えをする。
さながら落語、一人芝居の世界である。板書の色使いと、声の調子にだけ気を配った。
時間をあまり考慮しなかったところ、こちらも途中で「はい、では終了してください。」と言われてしまった。

実際に持ち込むことは出来ないが、存在するものとして実験器具や教材を活用した授業を展開することも可能である。自分はそこまで手を伸ばす余裕がなかった。

(2008.11追記)私は号令からはじめて、授業に入るスタイルをとったが、受験者によってはその後、「君、第一ボタンをとめなさい」等の服装指導をする例もあったらしい。そうした工夫が直接評価されるかはわからないが、おおむね好意的にとられるようである。

・面接

模擬授業はお世辞にも上手くいったとは言えず、検査室内が残念な空気に包まれていた。
(先の苦肉の策の影響かも知れない。)試験官の方が、どこかぽかーんとしておられたように感じた。それを引きずりながら、面接は始まった。

一人目の試験官の方
なぜそのテーマを選んだか、
模擬授業時に気をつけたことや、どのようなクラスの、どのような状況を想定したか。
そのような状況でない場合はどこに留意するか。もっとも伝えたいことは何か?をまず問われた。

物理の何がおもしろいのか、物理を通して何を伝えたいのか、と話は一般化していった。

主に教科教育についての考えを問われた。

二人目の方からは、
大学の部活動の主将時に苦労したことは?
その経験は、「教育」とはどのように結びつくか。

塾でのアルバイト経験があるが、塾と学校の違いは何だと考えるか。

といった質問があった。

教科外教育や、教育観、人間性について問われている感じがした。

三人目の方からは、
特別支援の学校に行ってもらうことになるかもしれないが、大丈夫か?
部活動の指導は出来るのか?
高校時代と大学時代で異なるスポーツをしたのは何故か、生徒にはどちらを勧めるか?

といった質問があった。

実際に学校に赴任する際の話題、これまでの話題の補足…といった感じであろうか。

全体的に温和で、圧力面接も覚悟していた自分はかなり「ほっ」とした。
回答に窮するような厳しい質問もなかった。

富山県の受験理由や大学院での研究を問われるかと考え、準備したが、そういった質問はなく、無駄に終わった。
ただ質問に対して考えを述べるのみで、格好のいいことやキメ台詞は言えなかった。

(2008.11追記)質問の半分以上が大学時代の相撲部での経験についての事柄であった。自己PRには、部活動の他に、生物物理学を専攻し、生化学の研究をしたことにより、理科一般の幅広い分野に対応できる事を押したが、それについては何もとわれなかった。どちらかというと、その場の流れで質問が決まっていくようである。

黒板を消して、退室。

余談であるが、二次受験者は健康診断を受験し、結果を教育委員会に送付する必要がある。
問い合わせてみたところ、あくまで最終的に参考にする程度であり、合否に与える影響はほとんどないようだった。
自分は不整脈、血液に異常が見られたが、そのまま提出した。

結果の通知は9月14日。一次もそうであったが、土曜日の朝早くにHPに合格者の名前が載った。
二次試験を受験してからかなり日数があり、その間受験者はそぞろな日々を送ることになる。

自分はあまり気にせずに研究室や部活動に没頭するように努めたが、さすがに9月10日位から不合格の夢を見る等 気持ちが落ち着かなかった。

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