別棟備忘録4

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日本大相撲 激闘本場所編

      2015/10/24

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昨今相撲といえば朝青龍、琴欧州が二場所続けて優勝争いを演じ、三人の大関をはじめ日本人力士は陰を潜めている。それ故に「もう日本の国技じゃないねあれは」なんて声もあちこちで聞かれるようになった。

しかし、私は敢えて言いたい。「そういうあなたは、国技である相撲の何を知っているのか」と。

低迷する相撲人気は特に若者世代の相撲リテラシーを低下させた。
いま、彼らにとって相撲は「デブの押し合い」程度の認識でしかないのではないだろうか。

日本相撲協会公認という触れ込みで2002年にコナミから発売されたこのゲーム。
某巨大掲示板によれば初動売上本数は1158本。「合計3000本程度しか出ていないのではないか?」といわれるなど売り上げは伸びず、続編がその後一向に出る気配のない現状をみてもビジネス的には大失敗してしまったソフトである。
ただその一方でコアなファンには支持され、発売から三年を経た今でもオークション市場では高値で取り引きされている。

プレイしてみると「格闘ゲーム」とは似て非なる独特の世界観に知らず知らずのうちに引き込まれる。相手に右上手まわしを握られた瞬間に飛んでくる「上手投げ」。後ろに回り込んで「行ける!」と送りだそうとした刹那、いきなり喰らう「後ろもたれ」…最初は易しいモードで武蔵丸を使っても10勝に届かない。

難易度はかなり高く、難しいモードで優勝を飾るには通常一週間程度要する。しかし、その一週間である程度相撲に詳しくなれることは間違いない。「居反り」「ずぶねり」「合掌ひねり」敵が繰り出す多彩な決まり手に土をはう。決まり手は屈辱の記憶と共に心に刻まれる。

魁皇の左四つ右上手からの上手投げ、雅山の右四つからの「巻き落とし」等力士には得意な形、技がある。まわしをつかむか離すか、上手をとるべきか下手をつかむべきか…勝つためには看過できない要素がそこにある。若の里に右上手を握られることがどれだけ危ないかを知った上で、指が自然と右四つの体勢に動いたとき、プレイヤーはまた一つ相撲の面白さを知ることになる。

その他、力士の名前や所属する部屋等の知識も自然と頭に入ってくる。このソフトをプレーすればキミの中で単に「肥満の集会」であった相撲は「若者のトレンド」へと変化を遂げるはずだ。

取り戻そう、日本人の気高さを。

名古屋大学近辺にお住まいの方でプレーしたいという方、是非連絡を。

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この日記の結果、本当に「名古屋大学近辺にお住まいの方」から連絡がありました。
恐る恐る会ってみると、その方は、名古屋大学相撲部の師範で…。

…勧誘され、入部しました。リアルにまわしで、相撲をとりました。稽古に励みました。

…いかに自分が相撲を知らなかったかを思い知らされました。

さも相撲を知っているかのように書いた↑この日記…あぁ、恥ずかしい。

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