別棟備忘録4

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県立大実習記録:REAl2化合物のキュリー温度測定…等

      2015/10/24

8月に県立大学にて、体験させて頂いた実験.。これは、教職員の「研修」のひとつ。参加人数が少ないから出てくれと誘われ、何の期待もせずに参加。意外と楽しかった…というわけで。
磁石にくっつくもの(磁性体)は、温度を上げるとくっつかなくなる。逆に放って置いてまた温度が下がると、またつくようになる。Gdの例↓
…何故くっつかなくなるか? スピンが揃って磁石になろうとする「交換相互作用」       vs 逆にスピンをばらそうとする「熱振動」 高温になると、熱振動が勝るため。このIsingモデルのシミュレーションとそのレポートを参照。 つくかつかないか、その境目の温度を、キュリー温度と呼ぶ。(旦那キュリーさんに因む) 先のGdの場合、キュリー温度は290K位だそうで。どうりで着かなくなるわけですな。 キュリー温度の測定は、磁石につくつかないを温度を変えてひたすら行います。 …まさか。温度を変えたときの電気抵抗の変化の様子を調べる。スピンが揃ったところで、抵抗値-温度の係数が変化する。さーっと自由電子が流れ出すイメージ、ですと。したがって、グラフから、キュリー温度を判断する。 希土類元素ガドリニウム(以下Gd)とアルミニウム(Al)を1mol:2molでアーク炉に入れてGdAl2を作成する。アーク炉はアルゴンガスで洗い、真空引きして使うんですね。知りませんでした。


1.試料の評価
GdAl2試料の一部を粉砕し、粉末X線回折実験を行い、回折パターンをチェック。理論計算と照らし合わせる。計算は、手計算で行う。 …計算が膨大。諦めて、エクセルを使用。大学の研究に一応関連していたりするので、本当はもっと速く勉強せねばならなかった部分…しかし、初めての計算。「へぇー」を連発。 ・計算に使ったファイル(xls 466kbyte)
何箇所か自信なし。ローレンツ偏り因子、要勉強。 GDX.jpg 測定値と理論値は…一応、合致している? 「計算方法」と「出来上がった試料」双方がそんなに悪くない、と判断できる。


2.試料を冷却し、抵抗-温度のデータを測定
液体窒素、液体ヘリウムで冷却、測定は4端子法(参考:この超伝導実験のレポート 学生時代うまくいかず気が狂いそうになった…。)で行われたらしい。←2日目行くと、データが出ていました…。 P1010306.jpg
160Kまで冷却すると、抵抗の様子が大きく変化(相転移)することが分かる。 この時、物体のスピンが交換相互作用でそろう状態(強磁性体)となっていると判断する。 GdAl2のキュリー温度~160Kが測定された。 どういうことか?すなはち、GdAl2試料は、常温(>キュリー温度160K)では、磁石につかない。(「常磁性体」のように振舞う。)

液体窒素温度77K(<キュリー温度160K)まで冷却すると…

磁石にくっつく、と。
実験は、4名の参加者が異なる金属を担当し、Tb,Dy,Ho,Erについて同様の実験を行い、それぞれのキュリー温度とドウジャン係数の比例関係を確認した。…ドウジャン係数って??
…要勉強。
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