別棟備忘録4

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VBAの練習2: ほこりはなぜ隅によるのか

      2015/10/24

・前置き・
勤務先には、「課題研究」なるものが存在する。たとえば物理だと、例年4班×3名くらいがそれぞれテーマを決めて研究に勤しむ訳である。
テーマは基本的には生徒たちが決める。できるだけそれに応えることにしているが、毎年「ズバリ門外漢!」でさっぱりわからんもの(建築系・電機系)や、備品の脆弱さもあって端から行き詰る気配がするものがひと班ふた班混入する。
今年度の研究では、1つの班が
ラジコンカーをソーラーカーにする! → 発電量が少なすぎて詰み
→ 静電気の実験をしたい → 再現性なく詰み
といった経過をたどり、発表材料のないまま本番2週間前を迎えるというピンチに陥った。
そこで、「実験機器調達の必要がない」「気象等に左右されない」特徴をもつシミュレーションに白羽の矢が立ったのである。
「パソコンで遊ぶ物理シミュレーション」なる書物を参考に、「どうせなら当日発表を聞きにくる後輩が理解できるもの」という観点から、ほこりが隅っこによる様子のシミュレーションを行うこととなった。
…が、なにせその書物ちょっと古いもので、BASIC言語をつかっており、実際のプログラミングの部分は生徒と二人三脚でVBAマクロを勉強しながら組むことになった。その一部始終を書き留めておく。


・概要の概要・
「ほこりは2次元ランダムウォークする」と考える。(当初、「ブラウン運動」と呼び、ほらほら物理のテーマだよ。とこじつけていたが、後に2つは異なるものである可能性に気づき…でも違いはよくわからんです。要勉強。)
hokori2.jpg
このランダムに動くほこりが、隅によっていく様子を、実感してみましょう。
正方形の部屋に50個のほこりを散らしてシミュレーションしてみました。とりあえず保存して、「ほこりを動かす」ってボタン押してみましょう。グラフの赤い丸がほこりです。
[右クリック+対象を保存]→hokori.xls[マクロを有効にしましょう]
hokori.jpg
ほこり、隅に寄って行くよねっ。
どうして、ランダムに動くほこりが隅によるのかの種明かしレポート。
hokori-2.pdf[右クリック+対象を保存]
↑一応、高校生向け。sin,cosさえわかれば読めるかと。
(↑蔦川君は更新を催促した以上、熟読し、感想をメールで送ること。)


・総括・
このシミュレーション・エントリの意義は…

1.「ほこりはなぜいつも隅っこにあるのか」という率直な疑問にそれなりにこたえる。
2.「ランダムな運動に生じる、方向性」を目の当たりにする。
3.「くだらない馬鹿みたいなこと」に血道をあげる研究者心理を垣間見る。
4.「課題研究、行き詰った時、シミュレーション」のトレンドを提案する。
5.マクロになれて、定時に帰れるようにする。
6.「おめーら、隅っこ掃除せんなん教室きれいにならんやろが!」に根拠を与える。

1石6鳥。ほこりもばかにできません。
内部リンク
・VBAの練習・

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